PartIV 陣痛真最中!
ひたすらマッサージと深呼吸を繰り返しながら11時過ぎにはついに陣痛が3分間隔に突入した!
3分間隔ってことは、陣痛90秒に対してブランクも90秒しかないのだ。
もうこうなると、「陣痛ひっきりなし!」って感じ。
陣痛が終わって水を飲ませ、吸い差しに補給するともう次の陣痛が始まる。
これを一体何度繰り返しただろうか?
痛みはさらに増し、普通の深呼吸では追いつかなくなったため、いよいよ有名な「ひっ、ひっ、ふ〜〜〜」の出番となった。
こっちの方がいきみを抜き易いんだそうだ。
目を閉じると余分な力が入るので、良くないという。
あまりの痛みに開かない目を「目を開けて〜」と無理やり開けさせる。
苦痛にゆがむので三日月形に1mm位しか開かない。
それでも必死に目を開ける嫁。
見ていて本当にかわいそうだった
「ひっ、ひっ、ふ〜〜〜」も、呼吸しているって言うより、「ひっ、ひっ、ふ〜〜〜」と無理やり声を出しているだけとなり、声が苦痛に震える。
私も必死に呼吸をリードする。もう酸欠なんて言ってられない。
腰をさする私の指もかなり痛くなってきた。
「これ以上腰を擦ったら後で皮が剥けちゃう!」と心配になったので、嫁の服と皮膚を摩擦しないように気をつけながらマッサージをする。
痛みのがしに良いと聞いていたので家からわざわざ持ってきたのに、使い方がわからくて放ってあったゴルフボールを見つけたので、腰のところでゴロゴロ転がしてマッサージする。
私も疲れないし、これはなかなか良いアイデアだった。
腹が減ったから「買出しに行こうか?」と聞くと、
「呼吸のリードがあるおかげで大分楽なの。お願いだからずっとそばにいて」
「それに、腰のマッサージがないと痛くてつらい」
と、言われてしまったので、結局出産が終わるまで一歩もLDRから出なかった。
しょせん男なんてそばにいたってマッサージと呼吸のリード以外何にもできない。。。
とはいえ、嫁はとっても辛い思いをしてがんばっているのだ。
私も、できることを精一杯がんばらねば。
こうして頼ってもらうことで、微々たるものだが確実に出産の手助けができているということがことがとっても嬉しい。
嫁を見ていて、なにより「すごいな」と思うのが、この苦痛はすべて子供のために耐えてるってこと。
自分のためじゃない!んだ
「あたりまえじゃないか!」って言われてしまうと確かにそうなのだが、やっぱりこれはすごいことである。
どんなに痛くっても、息を止めて力んではいけない。
目をつぶってもだめ。
しかも、怪我と違って痛み止めはうてないし、これからドンドン痛さが倍増してくるのである。
痛くならないと生めないのだ、当たり前とは言え、今でこんなに痛いのに、もっと痛くなってゆく陣痛にあと12時間は耐えねばならない。
この恐怖感に耐え抜く精神力って本当にすごいと思う。
それがすべて子供のため、自分のためではないのだ。
「無償の愛」って良く言うけど、損得勘定じゃこんなの耐えられるわけありません。
母親の、子供を思う気持ちってものすごいんだと思う。
「ごめんね〜。本当にごめんね〜。迷惑かけるね〜」
何度も何度も嫁が言う。
「馬鹿野郎!夫婦じゃないか!!何遠慮してんだよ!!!気にすんな!!!!!!」
看護婦さんや先生にも「迷惑ですよね〜。ごめんなさい」と謝って、先生たちにビックリされてた。
陣痛がひどいときには正気でなくなり、先生に悪態をついたり、蹴っ飛ばしたりする妊婦がほとんどだと聞いていた。
半年前に出産した嫁さんの友達は相当大騒ぎした上に、それをほとんど覚えていないらしい。
「騒がない妊婦なんていないわよ〜」と看護婦さんにも言われていた。
なので、こんなに痛い最中に周りに気を使える嫁さんをちょっぴり尊敬してしまった。
12時過ぎ、看護婦さんが子宮口の確認をしてくれた。
「3cmですね」
なに〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!
こんなに苦しんだのに、まだ3cmだとぉ??????
いったいいつまで苦しめばいいんだよ〜!!!
やっぱり夕方までかかるらしい (ToT)
一時ごろ、突然大先生が診に来てくれた。
会うのは今回が初めてである
「陣痛は?」と聞かれ
「3分間隔で60〜90秒」と答えると
「じゃあ、もうすぐだね」
え???マジ?マジ??やったぁ〜!! \(^o^)/
しかし、「さっき子宮口が3センチって言われたんですが・・・」
と言うと
「じゃぁ、まだまだだねぇ」って・・・ (ToT)
「いい陣痛だから、夕方には生まれるんじゃないかな?」って元気付けられましたが、一瞬期待したばっかりに非常にガックリでした。。。
気を取り直して、がんばろ〜! (>*<)/
2時を過ぎて助産士さんが来てくれる。
大先生との話を言うと、すぐに子宮口を確認してくれる。
「3センチです!夕方くらいですね!!」
って、一時間経ってもかわってないジャン・・・ (ToT)
でも、「もう折り返しは過ぎてます。あと5〜6時間ですよ」
(十分長いっすよ!)
こんな状態にもようやく慣れ、精神的に余裕が出てきたので、陣痛の合間に冷たくなった昼食に手をつけ(ほとんど俺が食べた)合間合間に軽く寝る。
嫁にもなるべく寝るようにさせたが、ウトウトした後の陣痛がこれまた痛いらしい。
「後が痛いから寝るの嫌だ」と言う嫁に
「少しでも寝ておかないと体力持たないぞ!」と説得する。
※
このソファーには大助かり!!!
仮眠もできたし、座ってて楽。
疲労もたまりにくい。
病院用の丸椅子なんかでは、とってももたないでしょうね。
しかし、ホテルみたいな部屋です。
とっても豪華!!!
少しして再び来てくれた助産士さんに、
「間隔、開いてきましたね。」
と言われて気づくと、前々回まで3分だったのが、前回5分、今回7分と急に開いてきている。
明らかに痛みも軽くなっている。
嫁の顔色が極端に悪くなっているし、ひょっとして私の風邪がうつったかな? (ごめん!)
呼吸法に気をとられすぎて、顔を近づけすぎたのかもしれない。本当に辛そうである。
しかし、陣痛間隔の開いたのを利用して「がんばって寝よう」と、チョコチョコ寝させる。
最後には、陣痛間隔は20分まで広がり、その上痛みも収まってきてしまったが、おかげで多少睡眠が取れ、なんとか嫁の顔色も回復してきた。