あちこちの物件

 

9/21

 

いくつか良さそうな物件が出ていたので見に行く。

まずは急行の止まるK駅徒歩13分。

土地のみで1200万くらい。

がんばれば2500万くらいで新築可能か?

更地で表通り沿い北向きの土地。南側2階建てはロフトがあるらしく屋根が異様に高い。日当たりが悪そうだ。

雑草の生え方などを見ても、長いこと売れないようだし、叩けば下がりそうだし、なんといっても徒歩13分というのが気に入ったので後日業者に連絡してみた。

 

すると

「申し込みを入れないと価格交渉できません」

(なにを!)

 

 

しかも

「ほとんど値引きできません」

(じゃぁ売るなよ!)

 

さらに、容積率が100%しかないとのことで、違法でもしないと総二階は建たない。

 

しかし、こういった不利な土地こそ設計者の腕の見せ所。

不利な土地を安く買って上手く建てるのも安上がりに済ますコツである。

また、設計していても、大変な分やりがいもある。

と言うわけで、幾つかプランを描いてみたりしながら営業と交渉を進めてゆく。

 

 

が、改めて設計ではなく買う側に立ってみると、条件が変わる。

 

一生住むのなら良いのだが、こういった土地は安く買った分だけ、転売するときにもやっぱり安い。(あたりまえだ!)

つまり、将来支払い困難に陥って売ったとしても借金しか残らない危険性が高い。

 

借金抱えて夜逃げは嫌だ。(ToT)

 

 

その上、何度目かに見に行ったときに長時間見ていたら、ここの通りが裏道に使用されているため、かなりの台数の車が猛スピードでビュンビュン通るので危なくってしょうがない。

道路の反対側に行くのにも気を使うほどだ。

 

しかも、目の前の交差点で一時停止しない車が多いため、何台も事故りそうになってる。(一時間ほどの間に4〜5回は急ブレーキ踏んでた)

 

「こりゃあ危険だよ〜!」ってんで、嫁さんが大反対。

 

私も納得の却下

家捜しもたいへんである。

 

 

 

 

次に北K駅徒歩15分。

北向きで私道の突き当たりなのだが、南側がゴルフ練習場の駐車場なの日当たりはめっちゃ良い。(駐車場からのぞかれるか?)

建物も、ちょっと我慢すればそのまま住めないことはない。

 

それがなんと950万!

 

 

しかし、良く々情報を調べて見ると前面道路は43条但し書き」と書いてある。

つまり、道路だと思っていたものは道路ではなくいわゆる通路。つまり接道無しってこと。

 

 

建築基準法では

道路と2m以上接してない敷地には建築できないのである。

 

 

43条但し書きと言うのは、道路がない場合、特例によって前面の道路状の空地を道路代わりに認めようという法規である。

役所で調べると、現在建っているので再び認めてもらえる可能性はあるのだが、「実際に申請を出してみないとなんとも言えない」と言う。

 

じっさい、幅は4mあるものの角地が隅切りしていない。このままでは建築不可の可能性もじゅうぶん高い。

それに、建てられるとしてもそんな土地、転売したくても誰も買ってくれないでしょう。

 

 

一瞬近所と交渉して、道路状の土地を2m分買いとって接道させちゃおうかとも思った。

「建築可にできれば高く転売できるぞ!」

なんて虫の良い事を考えてみたわけだが、現在の950万に敷延部分の買い取り価格をプラスしたら全然お買い得ではなくなってしまう。

したがって却下(笑)

 

普通のお客さんが知らずにこんな土地を買ってしまうと後が悲惨である。

実際、今までにも建築不可能な土地を買ってしまったお客様って、何人もお会いした事があります。

土地を買うときは要注意ですよ〜

 

 

その他は

南K駅の近くで北側道路だが、南側が水路(開渠)で日当たりはよさそうな古家付の土地。

少し手を入れればなんとか住めそうである。

おまけに、庭先に建築に使えそうな御影石などの石材が10枚くらい置きっぱなし。。。(黙って持って帰っちゃおうかと思いましたよ、思わず)

 

一瞬これはあたりか!?と思って舞い上がりかけたのだが、裏に回り水路の金網を越えて調べに行く。

すると、水路周りの苔がものすごく、相当の湿気が予想される。(歩いていてもジメジメ、ヌメヌメしている)

こんな土地は健康にも良くなさそうである。

 

その上、夏は水路がかな〜り臭そうだ。

そのうえ、ボウフラもわきそうだから、蚊の攻撃がすごそう・・・

 

しばらく後、値下げしたので夜中再び見に行くと、2階の奥からほんの少し光が漏れていた。

「ひょっとして売れちゃったか?」と思ったのだが、それにしては暗すぎる。

第一、他の部屋には一切明かりが点いていない。

 

「おかしいな?」と思い、表札を確認するとはがされたまま。

庭は草がボウボウで、初めに来たときと何も変わらず手入れされていない。

 

どうやら、ホームレスでも住みついていたのではないだろうか???

 

色々あるものです。。。

 

他には、

高圧線直下の土地で電磁波浴びまくりそうなところ×2箇所

周りがやたらと過密地域で敷地も小さい

日あたり良好なのは良いが、南側道路の向かい側の空き地になぜか古タイヤが山積みになっていて危ない

裏がすぐに田んぼで、周囲の道路がヒビだらけでひと目で地盤沈下しまくり

裏が貴金属工場で土壌汚染が心配(転売するときにも価値が落ちる)

病院の真裏でうるさそう+病気が伝染りそう。しかも隣が何かの工場

再び43条但し書き道路

 

 

 

 

と、超格安で捜しているため中々良いものがない。

 

しょせんこの価格帯ではまともに納得できる物件などあるわけがないのだ。

それはわかっていたのだが、嫁さんがそこまで夢も希望も捨てられず、価格なりのボロ家では我慢の範疇を越えてしまうので満足できるものが見つからない。

しかし、何度も価格なりのボロ家をみているうちに現実がわかって我慢できるようになるんじゃないか?

そう思って気長に物件を捜し続けたのである。

したがって、はじめのうちは決まらないのが当然である。

 

 

ほぼ週末ごとに物件をあさりに行っていたP不動産」の営業

「全然しつこく営業しないんですね?」と聞いたら

 

「この価格帯ではほとんど物件がありませんから」と言われてしまった。

正直、とっても迷惑そうなのが顔に出ていた(笑)

 

そりゃ、1000万程度の物件では、仲介しても手数料なんて3%づつだから、6%としてたったの60万。

新築を主に扱っているこの不動産屋では、こんな貧乏な客なんて手間がかかるばっかりで割に合わないのである。

私もプロの端くれだけに担当さんには同情してしまった(笑)

 

この頃から、ウチの会社で登録しているプロ用の住宅情報を活用し始める。

よさそうな土地があれば「株式会社○○です」と電話して、物件情報をFAXしてもらう。これは楽だ。他社の担当さんにも余分な迷惑はかけずに済むし、後めたくもない(笑)

普通の住宅情報と違って住所や地図が付いているし、これは便利であった。

 

 

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